現在、メルボルンにあるナショナル・ギャラリー・オブ・ヴィクトリア (National Gallery of Victoria, NGV)で開催中の「HOKUSAI (北斎)」に行ってきました。
言わずと知れた”葛飾北斎”の作品展です。
その”北斎展”をアキヒロ先生の視点から見ていきましょう。
北斎とは?
葛飾北斎と言えば、江戸時代後期に活躍した日本の浮世絵師。現在でも世界中で人気の高い日本のアーティストとして確固たる地位を確立しています。
江戸の当時としては長寿の90歳!まで生きたと言われています。そして、北斎は生涯に93回も引っ越しをしたとのこと。
絵を描くこ以外には興味が無く、家も掃除しないし料理も作らないし、、とにかく絵だけを描き続けた生涯だったようです。
北斎”江戸時代に活躍した画家”と聞くと、とっても昔の人のようですが意外にも日本近代史(明治維新以降)が始まる19年前に亡くなっているのです。
以下、北斎と歴史の有名人、出来事また時代と比較
- 写楽1763-1820年
- 葛飾北斎1760-1849年
- 坂本龍馬1836-1867年
- 大政奉還1867年
- 明治時代1868年〜
北斎と龍馬が同じ時代に生きていたと聞くと、近く感じる?かも知れませんね。
北斎展のクオリティー
北斎展には木版画と肉筆(筆で描いた)、両方の浮世絵が多数展示してあります。 北斎の代表作であるシリーズもの「富嶽三十六景」、「北斎漫画」、「諸国滝廻り」また「諸国名橋奇覧」などが一気に見れるものとなっています。
北斎展の見どこと
見どころは、、、全部! なんですが、アキヒロ先生のお勧めは以下の作品。
- 凱風快晴
- 神奈川沖浪裏
- 駿州江尻
- 北斎漫画
1. 凱風快晴(がいふうかいせい)
何処かで目にしたことがあると思いますが、本物が持つ色彩のコントラスト(空、富士、裾野)と緻密さは必見。
2. 神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)
The great waveやThe waveなどのと呼ばれたりして、海外でも親しまれています。
英語名はThe Great Wave Off Kanagawaです。
今回の北斎展では二枚の神奈川沖浪裏があります(一枚はNGV所蔵、もう一方は日本の浮世絵美術館所蔵)。
浮世絵(木版画)は、一枚一枚手で刷るので、作品ごとに微妙な差”個性”があります。
今回の北斎展では、その二枚が持つ個性の比較ができます。
3. 駿州江尻(すんしゅうえじり)
駿州江尻、現在の静岡県清水市の風景を描いた作品。
この作品では、強い風に紙が飛ばされていく様子が描かれています。
これは、目に見えない”風”と”時間経過”の両者を見事に表現しています。
西洋画家には、この時間経過を絵に落とし込むといった試みが斬新に映ったといいます。
ゴッホやモネなどの西洋画家が浮世絵を模写したりしてますね。
そして、現代もでこの「駿州江尻」は、写真作品としてリメイクされているのです。
ジェフ・ウォールというカナダ出身の世界的に有名な写真家がA Sudden Gust fo Wind (after Hokusai) として作品にしています。
A Sudden Gust fo Wind (after Hokusai)は、イギリスのTATE(テート)美術館に所蔵されています。
現代でも強い影響を持つ北斎ってスゴイですね!
4. 北斎漫画
とにかく絵を描きまくっていた北斎!
その大量の素描(スケッチ)をまとめて出版したのが北斎漫画。
名前が示すように”漫画の元祖”とみなされていて、北斎も”漫画の父”と呼ばれているほどです。
この北斎漫画、多種多様なものをユーモアたっぷり、時にシリアスに描いてあり見応え十分、いや十二分。
ちなみに、北斎と彼を取り巻く人間をモチーフにした漫画「百日紅(さるすべり)」や、その百日紅を原作としてアニメ化した「百日紅-Miss Hokusai」などもあります。
興味のある方はググってみてくださいね。
入場料・会期などの情報
入場料一覧
http://connect.ngv.vic.gov.au/single/SelectSeating.aspx?p=10954
北斎展は、NGVのグランドレベル、正面ゲートを入って右手奥に入り口があります。
チケットは当日、北斎展入り口で購入可能。
また、NGVのサイトで事前購入もできます。
サイトで購入したら、Eメールでチケットが届くのでプリントアウトして持参。
※ただし、チケット購入時に登録が必要。
事前購入のメリットは、チケット購入の列に並ぶ時間が無い点。
チケット購入はNGVホームページはココから。
会期は10月15日(日)まで。
北斎展のサイトはココから。
全体の感想とまとめ
ボリューム満点の作品点数と、北斎の代表作を一気に見れる今回の展示はお勧めです。
また、午後は結構混むので午前中に行くとストレスも少なく見れると思いますよ。
展示を見た後は、NGVのカフェで休憩なんてものいいですね。